与謝野町はこれまで、食と環境の調和を大切にし、豊かな自然環境を次世代につなぐため、京の豆っこ肥料、京の豆っこ米を中心とした自然循環農業を推進してきました。これを引き続き推進するとともに、環境保護と地球温暖化対策の一環として、さらに環境に配慮した持続可能な農業や、森林整備、自然環境保護活動を推進していきます。これらの推進にあたり、産官学で構成する「スマートグリーンビレッジ確立協議会」では、与謝野町内の農業者と最先端の情報と技術に携わる人々が集いタッグを組み、様々な取組みを通じて与謝野町を持続可能な農村にするための協議や活動を行っています。
「スマートグリーンビレッジ」とは、すなわち「かしこい農村」。様々な技術や知見を活用し、様々な農業課題を解決する取組みを実践していきます。
構成は、与謝野町、与謝野町農業再生協議会をはじめとする町内生産者、信州大学、三重大学、京都府立大学、総合地球環境学研究所、辻調理師専門学校といった学術機関、そして民間からは、株式会社加悦ファーマーズライスなどが参加しています。
近年、豆っこ米栽培に関して「豆っこ米の収量が落ちている」「施肥のタイミングがわからない」等の声があり、京の豆っこ肥料の効き方を解明するため、スマートグリーンビレッジ確立協議会の構成員である三重大学 関谷教授に研究依頼。肥料の効果を科学的に評価し、より効果的な豆っこ米栽培に活かすための取り組みを行っています。
〜農業経済学の観点から〜
慣行栽培のコシヒカリと比較した京の豆っこ米の食味評価のみならず、消費者が払っても良いと考える金額を評価しました(金銭評価)。その結果、豆っこ米のポジティブな情報(100%有機質、人の体に良いものでつくられている、環境保全に役立つ等)を与えると、食味評価や金銭評価が高くなることがわかりました。
与謝野町では、20年以上にわたって町営の有機質肥料「京の豆っこ」を用いた京の豆っこ米の推進に努めてきました。最初は手探りの状態で始まったこの取り組みは、農業者や町、関係機関との協力のもと、今では京の豆っこ米の作付面積は町内の水稲作付面積のおよそ2割を占めるなど、一定の評価を得られるまでとなりました。この長年の取り組みより醸成された町内農業者と町、関係機関との信頼関係や協力関係は、今や与謝野町の大切な財産となっています。これからもこのかけがえのない財産を活かし、さらにより良い京の豆っこ米の生産に向けて引き続き取り組んでいきます。
担い手による挑戦
与謝野の担い手