自然循環農業の町 与謝野町 Since 2000
人々の暮らしの中に、美しい田園風景が広がる。
それが、雑草の茂る荒れ地になっていないのは、
あたりまえに保たれているのではなく、
農業者の思いと使命感に支えられています。
農地を守ることは、日本の食文化を守ること。
大雨などの自然災害から地域を守ること。
住まいへの鳥獣の侵略を防ぎ、暮らしを守ること。
そして、美しい田園風景を保つことで、
人々の地域愛と誇りを守ることに繋がっています。
水田の畦(あぜ)は自然のダムの役割を果たし、大雨の時には、山から住宅地への土砂の流入や河川の氾濫を防ぎます。農地の保全は人々の生活に大きく関係しているのです。さらに、水田周辺にある無数の水路保全も大切な作業です。特に山際の水路は、下流の地域全域につながる重要なポイント。枯れ木や蔦、雑草、土砂などを取り除くことで水の流れをスムーズにし、農地はもちろん、町の暮らしを守ります。
山際にある農地は耕作が困難な地域ですが、これを守ることは下流に広がる耕作地、生活圏を守ることになります。また、山からの有害鳥獣の侵入を防ぐフェンスの見回り、修繕は欠かすことができません。獣害は、生活圏への被害のみならず、作物を荒らし、水路や畦を破壊、水田のダム機能の役割も崩壊させてしまうからです。
与謝野町の美しい田園風景が雑草の茂る荒れ地になれば、それは町の景観が荒れることになります。農業者の営みは、町の景観を守ることにもつながっているのです。この景観を子供や孫の代までつなげる。都会の喧騒から離れ、与謝野に訪れた人を癒やす。田園風景の維持は農業のためだけではありません。
与謝野町は自然循環農業の町として、町をあげて環境問題に取り組んでいます。天然のシャケが遡上し、コウノトリが飛来する豊かな自然環境を維持、発展させることは、日本三景天橋立がある阿蘇海を守ることにもつながります。美しくで安全安心な川や海を守ることは、農作物、海産物、観光に影響し、人々の暮らしに還ってきます。
世界中の食が集まる現代においても、お米はいつも日本人の真ん中にあります。そしてその真ん中に求めるのは、安全安心はもちろん、「おいしい」ということ。日本人の「おいしい」の中心には、やはりいつも「お米」があります。自然と共生しながら、おいしいお米を届けるのことが私たちの使命です。