降雪時のパイプハウス被害防止策について【Part2】

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農業者のみなさま、明けましておめでとうございます。本年もどうぞよろしくお願いいたします。

12月30日からの大雪もだいぶ溶けましたね。明日、7日から再度冬型の気圧配置が強まり、「数年に一度の強い寒波」が近づいてくるようです。残っている雪と溶けた雪が凍って道路がアイスバーン状態になる可能性も十分にあります。農作業だけでなく、通常の生活でも十分に気を付けてください。

【 再啓発 】

降雪による農作物及びハウス等の被害を防ぐため、次の事項を参考にしていただき、再度被害防止対策の徹底をいただきますようお願いします。

【共通事項】
降雪時の農地・農業用施設の見回りは気象情報を十分に確認するとともに、次の点に注意しつつ、作業者の安全確保を最優先に行ってください。
1.道路・ほ場周辺で、隣接する用水路、落差等がある場所には近づかない。
2.見回りをする際には一人でいかない。
3.滑りにくい靴を履く。
4.倒壊の恐れのある施設には近づかない。
5.ハウス等の雪下ろしを行う際には、ヘルメット等をかぶり、滑りにくい履き物を履くなどして複数人で作業を行う。
6.悪天候時には作業は行わない。

【 ハウス園芸品目(野菜)】
パイプハウスの雪害は、比較的気温が高く(0℃前後)、重い雪が激しく降り続いたとき(1時間当たりの降雪量が7~8㎝)に発生しやすくなります。特に積雪量が15~20㎝を超えると被害が目立ち始めますので、事前にハウス内外の点検と備えを行い、雪が降り始めてからの対応を素早く行うことで、被害を最小限にとどめましょう。

【 降雪時の対策 】
1.雪が降り始めたときの対策の基本は、ハウスの屋根に雪を多量に積もらせず、早めに滑落させることです。
2.屋根に積もった雪を滑落させるには、ハウス内を加温し、ハウスの屋根部分の気温を4℃以上にしてお  くことが必要です。内張を行っている場合には、これを開き、ハウスの屋根部分の温度を上げるようにしてください。また、被覆資材や開口部の点検を十分に行い、ハウスを完全に密閉し、寒気がハウス内に入らないようにします。
3.降雪がおさまった日中に雪が重くなって倒壊する事例が多いので、ハウス内への立ち入りは危険です。雪おろしは原則ハウス外から行い、やむを得ずハウス内に立ち入る場合は、ヘルメットなどを着用し、きしみ音などの異常に十分注意しましょう。
4.屋根に積もった雪が滑落し側面に堆積しますが、屋根に積もった雪と繋がってしまうと、屋根の上の雪が滑落しなくなるので、側面に滑落した雪は早めに除去してください。
※積雪してからの作業は、安全に十分配慮し、無理な作業は控えてください。

【 大雪時の対策 】
・ハウスの軒下に積もった雪は、屋根に積もった雪の滑落の妨げになるとともに、ハウスの側壁に圧力を加え、被害を生じさせる場合があります。また、降雪前に被覆材を剥いだ場合でも、施設全体もしくはハウスの軒高を超える積雪があった場合、大きな被害を受ける可能性があります。骨組が雪に埋没しないうちに、できるだけ除雪を行いましょう。湿った雪は骨組に付着するので、注意が必要です。
※特に単棟ハウスにおいて12月15日からの降雪により、ハウスとハウスの間に雪が堆積している様子が散見されます。水を含んだ重い雪は強い外圧を生じさせ、倒壊の原因となりますので、ハウス間の間隔が狭い場合は特にご注意ください。